蛙の子はカエル?

今は亡き父は建築の会社を経営していた。なぜ建築業なのかと聞くと、「地図に残る仕事をしたかった」と話していたのを覚えている。母は経理や電話対応などをして、父と一緒に働いていた。 私が中学3年生くらいになると、学校が休み […]
息子の「さが」

私の父は小さな会社を経営していた。家の外では、それなりに経営者をやっていたのだと思う。家では父としての威厳もあるが、驚くほどできないこともあった。その一つが「一人で買い物に行く」ことだ。買い物に行くことが恥ずかしいらしく […]
能動的に「生きる」と覚悟する

実は、この夏、私はどこかで「もうあの世に行ってもいい」と思っていた。疲れ切っていた。生命保険があるから私が亡くなっても1000万円は入ってくる。末っ子も、もう二十歳。もういいだろう。私の役目は、ほとんど終わったじゃないか […]
「あの歌詞が嫌いだったのよ」

「わがままは男の罪 それを許せないのは女の罪」という歌詞の歌を、学生のころ、あなたはよく聞いていたでしょう。お母さんは、あの歌が嫌いだったわ。 と、生前、母に言われたことがある。母は自分の記憶力について非常に自負していた […]
謝れない人々

「こんな大人にはなりたくない」と思ったことはないだろうか。 子どものときに身近にいた大人=実の親とは、私は価値観や考えが合わなかった。私の逃げ場は徒歩2分のところに住んでいた叔母の家。叔母と私は誕生日が1日違い。グラタン […]
前提を崩してみる

私は家族というものがあまり好きではありませんでした。幸いなことに親が厳しすぎるとか暴力を受けるということはありませんでしたが、私にとって家は安心できる場所ではありませんでした。まるで白い羊の群れのなかに黒い羊が一匹いる […]