家の中でダンスできたら! と常に考えているが、築30数年の日本家屋にはダンスできる部屋など用意されていない。畳の上で踊ることもできるが、足元が柔らかいと結構踊りにくい。できれば板の間が良い。そこで思いついたのが、縁側だ。わが家には縁側があり、京都らしい雪見障子がある。その縁側にスピーカーを設置して、「小さな小さなダンススタジオ」にすることにした。
その小さな小さなダンススタジオは、幅は半畳くらいしかない。昔あった今では懐かしいプレパブのようなボックス型のカラオケより狭い。当然だが2ステップも踏めない。回ることもできないスペースだが、そこは「起きて半畳寝て一畳」。広くなくたって十分踊れるのだ。
シンガポールでの5リズムの「ハートビート」のワークショップから戻って、あることができるようになった。それはハートを開いたり、ハートを閉じたりするのを自在にできるようになった(その辺の話はプレマ株式会社発行のらくなちゅらる通信2019年5月号、6月号の連載記事に書いたので見て欲しい)。
ハートを開いた状態でいると、いろんなことに共鳴してしまうこともあるが、自身の身体がもつ本来の力が使えるようになる感覚がある。まだまだハートを開いていける可能性はあるので、このところハートを開いた状態で踊るようにしている。そうすることで踊りの動きが変わってくるのが、今面白いと感じている。
その探求のために、毎日ダンススタジオを借りるわけにはいかない。時間の確保も、準備も大変だからだ。しかし、小さな小さなダンススタジオ「縁側ダンス研究所」なら、気が向けばいつでも踊れるのだ。いつでも探求ができる。
縁側ダンス研究所は、私の踊りの探求だけではなく、近いうちにダンスミュージックの制作をしようと考えている。身体が動いてしまう身体に響く音楽を作りたいのだ。
ダンススタジオができたと一人で盛り上がっているのだが、側から見れば39歳の男性が縁側で踊っているだけである。そのうちガラスを割ったり、障子を破ったりして、「いつまで子どもみたいなことをやっているの?」とお叱りを受けるのが目に見えている(笑)
※トップの写真はわが家の縁側ではありません。