ちょっとタイミングをずらしてみました。
「ポテサラ論争」を見てて私が思ったこと。
①手抜きは大事(ママに心と時間のゆとりを)
②家事は女がするものという古い偏見やめて!
③とはいえ「食」が子どもの心身を作ることも忘れちゃダメ
ということ。まずは、「余計なお世話」の害について、実際のエピソードをお話ししたい。その後、手抜き料理のコツを三姉妹を育ててきた元シングルマザーとしてお伝えしたいと思う。
「たまたま出会っただけの人」の人生に口出しする人
20代後半。長女が1歳のころ、最寄りのバス停で出会う見知らぬおばあちゃんによく話しかけられた。
「あんた、その子、一人目? 早く二人目産んであげないと。一人っ子はかわいそうやで」。
余計なお世話である。顔を忘れるのか若い母親全員に言っているのか、出会うたびに言われていた(今思うと認知症かも)。本人は「いいことをしているつもり」なのだろう。大阪生まれの大阪育ちだが、人と一定の距離を置くのがデフォルト人間関係の家庭で育った私には、侵略にしか感じられなかった。
実は、そのころ二人目不妊に悩んでいた。長女を産んだ病院で知り合ったママ友グループが二人目妊娠ラッシュだったので、その言葉が本当にしんどかった。そして、長女が2歳の初夏、私は二人目を「稽留流産」した。その後に、またそのおばあちゃんに会った。
「あんた、その子、一人目? 早く二人目産んであげないと……」
「私も欲しいんですけど、この前、流産したんですよ」と、にっこり💕
みなまで言わせず、言い返した。おばあちゃんは黙った。見事に空気が凍りついた。「やったぜ」と思った。
余計なお世話をいう人は多い。
三女がアトピーだったときも、母が世話をしていないかのように言われた。高齢者の一部は、基本的に「若い人」を信用していないのではないだろうか。
「かわいそうに! なんとかしてあげんと! なんでこんなに肌が荒れてるのに放っておいてんの?」とよく知らないおばさまたちに怒られた。
アトピーの子を連れていると本当によく説教された。私はそうでなくても、その当時は、夫の問題(借金・数ヶ月勤めてはすぐ転職する・子どもへのDV)で悩みながら、仕事と家事とでバタバタしていたので、余計なアドバイスには心底不快だった。心無い言葉に号泣したこともある。
感情がいっぱいいっぱいなのに、なにも知らない人間に追い打ちをかけられる。
ポテサラのママがもし、たまたま、そんな大変な時期、「今日だけ……」と思って手を伸ばしたのかもしれないお惣菜。知らないおじいさんに説教されたら壊れてしまう危険性もあるのだ。
毎日、手抜きしているわけではないはずだ。
毎日、がんばってるんだから、サボってもいいじゃん、たまには。
お惣菜を買わなくても手抜きする方法はある
ただ、実際、シングルマザーで3姉妹を育ててきて、しかも3女がアトピーで、食生活を改善せざるを得なかった私から言わせてもらうと、「手抜きしても栄養とれる方法あるよ!」ってこと。コツは、
①一汁一菜でよい(ごはん+おかず+汁物)
②手抜き出汁で簡単味噌汁
③ミキサー(フープロ)で作業時短
私の現役子育ては20年前。すでにマクロビと出会っていた私は、「粗食」についてもよく検索していた。そして、幕内秀夫さんの子ども向けのレシピ本『子どもこんだて』を購入して参考にした。
いまでは「一汁一菜」で検索するとたくさんの本が出てくる。30分、いや、さらに楽すれば15分で晩ごはんの支度ができる。
仕事と子育てと、夫婦間のストレスで、心もからだも弱っていた。でも、弱っているからこそ、外食や惣菜だと力が出なくなる。これが負のループになってしまう。
きちんとおかずを並べようとしなくても、おかずは一つでいい。そのおかずも、こんな感じ。体調によって変えるのだ。料理は「仕事」ではないのだから。
撃沈の日:豚コマ肉を炒めるだけでもいい。包丁とまな板は不要。
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マシな日:玉ねぎだけ千切りにして入れる。味付けはポン酢や味覇でいい。
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もう少しマシな日:きゅうりやブロッコリーで少しだけ彩りアップ。
ブロッコリーなんて、ふさを手でちぎって茹でたらいい。炒めた肉にちょっと添えるだけで華やかに見える。あとは「つけもの」を買おう。乳酸菌を摂ろう。発酵食品を取ろう。
そう。できれば味噌汁を作る。仕事から帰ってきて急ぎで作るなら、こんな感じ。
【ほんだし不要! おおざっぱ本格おだし味噌汁の作り方】20〜30分
①鍋に「昆布をと水」を入れて沸かしながら、切った根菜から鍋に投入。根菜と昆布を一緒に煮るのだ。
②沸騰したら鰹節をざるに入れて、鍋の上部に設置。その後、火を弱めて残りの具材(薄揚げなど)を茹でる。めちゃくちゃいい香りが出る。
③数分で鰹節をざるごと取り出す。昆布は取り出して刻んで鍋に戻す(昆布はミネラル豊富)。具材は、簡単なのは「乾燥わかめ」。薄揚げ(もしくは豆腐)や玉ねぎも入れるとおいしくて早くできる。「味噌」で発酵食品を摂取しよう。30分で出汁からの味噌汁はできる。粉のお出汁との手間はほとんど変わらない。一緒に煮るなら簡単だ。干し椎茸もちぎって入れて一緒に煮てしまえばいい。
キッチンに立って包丁を握ることすらしんどい日もある。
そのために、ちょっと奮発して「フードプロセッサー」を買っておくと便利。刻みが速い。なんでも千切りにできるし、なんでもつぶせる。どんどんミキサーに放り込んで刻んだら、それをひたひたの水と煮る。あっという間に野菜スープもできる。野菜苦手な子のためには、それらを20分ほど煮込んだら、ミキサーでつぶして、豆乳(牛乳)を混ぜて、野菜のポタージュになる。塩胡椒だけでもおいしいよ。
時短で、見た目もあんまりだけど、栄養を摂る方法がある。
そういうアイデアを持っておくことも、忙しいママたちにはオススメしたい。そして、「食」をがんばっておくと、のちのちに、子育てにそれが影響するよ!と伝えたい。
お惣菜にお金をかけるのなら、思い切って「フードプロセッサー」と「食洗機」を買う。これでパニック障害を抱えるシングルマザーでも、なんとかやってきた。キッチンに立つのがしんどいなら、キッチンで座って切れる環境を作ってもいい。とにかく柔軟にアイデアを使って、大切なわが子に手づくりのご飯を食べさせてあげることはできる。
手を抜くときには、抜いて。
でも、基本的には、アイデアで「時短」と「栄養」を。
手抜きの方法を見つけることも、「子育て」を楽にするスキルのひとつだと思います。
なにより「惣菜=手抜き」とは限らない
そして、そもそものところ。惣菜=手抜きとは限らない。ポテサラ親子は、その惣菜のポテサラの味が好きで買っているのかもしれない。怖いのは
惣菜を買う母親=手抜き母
と思われてしまうこと。たとえば、私の場合、顔が派手なのだけれど、服装は地味だ。服装がいくら地味でも顔が目立つので、だいたい「派手な人」に分類されて認知されてしまう。
ここからが怖い。
派手な人 = 料理しない・子育てに興味がない。
と思い込まれてしまうのだ。
知らないおばちゃんにも、近所のママさんにも、
「料理するんだ!?」
「子育て好きなんやね!」
と妙な驚かれ方をされたこと多数(いちおう保育士なのだが)。
先入観なんて「保身」のためには役立つが、人と繋がっていくには、みんなで幸せになるためには、なくても良いものだと思う。
先入観を捨てて、その人を見る。
その人を知らないのなら、悪い方向に想像しない。
それだけで、もっと日々はハッピーな気持ちで過ごせるはずではないだろうか。