実は、この夏、私はどこかで「もうあの世に行ってもいい」と思っていた。疲れ切っていた。生命保険があるから私が亡くなっても1000万円は入ってくる。末っ子も、もう二十歳。もういいだろう。私の役目は、ほとんど終わったじゃないか。あぁ、そろそろあちらからお呼びがかからないかなぁ。
心のどこかでそう思っていると、不思議と体調を崩す。原因不明の頭痛、吐き気。塩風呂に入ったり、酒風呂に入ったりして一時的に回復してもまた落ちる。
困ったなぁ……。
そんな体調不良の繰り返しのなか、9月の初旬、私は心理学専攻の通信教育仲間を4人家に招待していた。その前夜、眠れなくなった。眠れないまま4時ぐらいになった。私は焦り出した。「明日は絶対に友達と楽しく過ごしたいのに!」と思った瞬間、自分の矛盾に気づいた。
・もう旅立ちたい。疲れた
・いや友達にこの家に来てもらって川遊びを体験させてあげたい
その矛盾に気づくと、私は、自分の身体に話しかけた。「ごめんなさい。私は、私のこの身体で生きます。私は能動的に生きることを選びます。生きることを責任持って選択します」
そう言いながら身体を撫でて謝った。すると急に心身が軽くなり始めた。お腹と胸に手を置いていると、少しずつ頭痛が減っていく……気づくと眠っていた。
翌朝、2時間しか寝ていないにも関わらず、家の掃除をして、友達4人のために食事を作った。
その後、心理学仲間たちが来て、みんなでたくさん話をして、43〜62歳の大人みんなで川で遊んだ。全然疲れない。不思議だった。
「気持ちいい!」「癒される〜」と川ではしゃいだり、日頃どんな悩みを抱えていて、だから心理学を専攻しているという話をしたり。
素直にみんなと接することができるのは、いろいろと乗り越えてきた(乗り越えている最中の)、「いま」だからこそかもしれない。今学期の勉強も、仲間がいると思うとがんばれそうだ。
10月に入ってから突然生まれた新曲「いちばんのみかた」は、自分の一番の味方はきっと自分だという歌。わかっていたようで、やっと腑に落ちたからこそこの歌が生まれたのだろう。
心も肉体も、どちらも含めた「全体」を大切にしてあげないと、きっと体調は悪くなる。
「想い(心)」ばかり大切にして、肉体に「ついてきてくれるだろう」という甘えがあるとき。
思考でがんじがらめに肉体を改造したり栄養ばかり気にしたり健康を「管理」して「本当にやりたいこと(心)」をおそろかにしているとき。
どちらも体調は崩れる。
そして、TwitterやFacebookなどのSNSで、人の投稿を見て羨んだり、ひとこと言いたくなったりするとき。それはきっと、「自分のなかの自分」が「こっちを向いて!」「私を大切にして」というS.O.Sだと思う。
「人」の言動が気になるときこそ「自分」を見てあげないといけないのだろうと、いまの私は思っている。
そんな経験を経て生まれたのが新曲「いちばんのみかた」。詩とメロディがいっしょに生まれてきたパターン。
みんなに届けたい、そして、なにより自分自身に届けたい。そんな曲ができあがりました。必要な人に届けられますように……。愛を込めて。