楽しい、嬉しい、怒り、悲しみなど、
いろいろな感情がありますが、
何かの感情が起こったときに、
そのままストレートに表現できる環境は
意外と少ないものです。
大体は感情を抑えこんだり、
感情を飲み込んだりすることが多く、
そのときの状況、そのときの人間関係を
円滑にやり過ごすことが優先されます。
しかし、その抑え込まれた感情や飲み込んだ感情は
どこへ行くのでしょうか?
起こった感情を抑え込んだために
モヤモヤして考え込んだりする体験は
誰にでもあるでしょう。
そういうことからも抑え込んだ感情はなくならないようです。
心と身体を分けないホリスティックな
身体心理学的観点から感情についてご紹介します。
(1)感情はいきもの、コントロールはできません
感情はまるで呼吸をしているかのように、
収縮したり、拡張したりして拍動しています。
感情が起こったタイミングで表現できたときは、
感情は想いを果たすことができ、昇華されていきます。
逆に感情が起こったタイミングで抑え込んだり、
飲み込んだりすると、感情は想いを果たすことができません。
そのとき、感情は身体のなかに留まり、
拍動しながら想いを果たすときを待っています。
しかし、感情を表現できない環境に身をおいていると、
感情が起こるたびに、抑え込んだり、
飲み込んだりするパターンが生まれてしまいます。
その状況が続くと、身体のなかに留まっているいくつもの感情が、
身体を攻撃し、症状が起こり始めます。
感情はいきものです。
コントロールすることはできません。
人の身体に触れるボディワーカーはよく体験するのですが、
肩にある小胸筋が自発的に緩んでくると同時に、
悲しみの感情が出てくることがあります。
出てきた感情は古い過去のものだったりするので、
当人にも理由がわからないことが多いです。
このように感情が身体の緊張の原因になっていることがあるのです。
実際に体験したことのない方には不思議な話ですが、
こういったことはよく起こります。
現在、身体心理学(ソマティック心理学)として研究されている分野です。
研究が進めば不思議な話ではなくなってくるでしょう。
(2)感情を「表現すること」と「伝えること」は違う
感情を溜め込んでいることに気づいたら、
感情を抑え込んだり、飲み込んだりしていると
身体に感情が留まっていきます。
表現することです。
ここで注意したいのは、「感情を表現すること」と
「感情を人にぶつけること」は違うということです。
感情を出すと、「嫌われるかも?」とか、
「誰かを傷つけるかも?」とか、
「どうせわかってもらえない」と思われる方は、
感情を人に伝えたり、ぶつけたり、
わからせようとしているのかもしれません。
ただ感情を表現し身体のなかから出しましょう。
「モー!」「ムカツクー」など感情を声に出しながら
身体に動きをつけるのがポイントです。それだけでスッキリしてきます。