コラム

経験から学んだら捨てる勇気を

 どうやら私は周りの人から、やりたいことをやっている「自由人」のように見えているらしい。大学で抗がん剤の研究をしていたのに、卒業後は未経験から広告デザインの仕事へ。広告を扱い始めると人の心を動かしたくてコピーライターへ。そこから、次は人の生命に触れて健康をサポートする仕事をしていたりするからかもしれない。

 一貫性がないように見えるかもしれないが、振り返ると、それぞれのタイミングで私の心が動く「きっかけ」があった。「どうしてもやりたい」という自身の奥底から湧き出でてくる衝動を抑えきれなくなって始めたことばかりだ。しかし、経験がないので、最初はうまくはいかない。未経験のことに一歩踏み出した瞬間から、努力の毎日が始まる。私には衝動を抑え続けることより、経験を積みながらコツコツ努力する方が楽なのだ。

 しかし、うまくいかないことをたくさん経験すると精神的に打ちのめされ、自分が嫌になるときもある。うまくできなかった言い訳が頭の中で再生され続ける。そんな窮屈感のなかでも、衝動の源泉は止まらない。ちょっとだけうまくいくと、すべてがうまくいくような気になってしまう。私はその瞬間が大好きだ。衝動が根拠のない自信に変わっていく。根拠のない自信というと、笑われるかもしれないが、そもそも自信に根拠は必要なのだろうか?

 最近、うまくいかないことの原因の一つに気がづいた。経験を積むほど、自分を不自由にしていたのだ。経験は人を成長させ、人生を豊かにするが、それを成功パターンとして仕上げてしまうと、「拘り」になってしまう。拘りは自分をも、人をも概念で縛る。だから、その拘りが自信の根拠になってしまうようなら、経験にしがみついてはいけない。経験から学んだら、捨てる勇気を持つ。拘りに縛られずにいつもニュートラルでいることは難しいのだ。

 会ったことのない人を、苦手な人だという先入観を持っていて、実際に会ったらすごく良い人だったという経験は誰にでもあるだろう。天気予報だって外れる。過去にあったことと、まったく同じ未来がくる保証はどこにもないのに、パターンに仕上げてしまうのだ。過去に縛られるパターンを壊せ! そうすれば、私は今よりもっと自由に生きられるのではないか。「その自由への拘りをまずは捨てたら?」と、妻の突っ込みが聞こえてきそうだ。

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