目に見えない心と目に見える身体。
心と身体はつながっているといいますが、
具体的にどう繋がっているのか?
体系的に理解するためには
新たな概念が必要です。
それについては未だ科学的に
解明されていませんが、
参考となる概念のひとつが
インドの伝統医学にあります。
インドの伝統医学では、
大自然は「空・風・火・水・地」の
5つの元素(5elements)で
できていると考え、大自然の一部である
人間もまた、5つの元素で構成されている
と考えます。
インドの伝統医学では、
この5つの元素のバランスが
健康のカギを握ると考えられ、
有名な3つのドーシャの概念も、
この5つの元素の組み合わせでで
できています。
5回シリーズの2回目の今回は、
心と身体をつなぐ5つの元素のうち
「風」の元素についてご紹介します。
(1)「風」は想いから生まれる
「 静止より、動きは生じ。
動きより、力は生じ。
力より、結合が生じ、
結合は形、成さしめ、
それを保たん 」
これは5つの元素を表現したものです。
静止は「空」、動きは「風」、
力は「火」、結合は「水」、
形は「地」を表しています。
つまり、「空」より「風」を生じ、
「風」より「火」を生じ、
「火」より「水」を生じ、
「水」より「地」を生じるということです。
浜辺で見る勢いのある波も、
もとをたどれば全く動きのない
静止だったのかもしれません。
そこに風が吹き、
ゆっくりとした動きが生じ、
それが進むにつれて、
どんどん大きな力を生み、
さらに進みながら、
力同士が結合し、
統合され浜辺で見る勢いのある
波という形になっています。
私たちの生活でも、
何かを始めるときは、
「想い」から始まります。
「こうしたい」という想いから
行動が起こります。
この「想い」に問題が起こると、
「風」の元素に問題が起こり、
行動、習慣にも問題が起こって、
身体の症状として現れてくると
考えられています。
(2)「風」を取り戻すエクササイズ
風の元素のバランスを崩すと、
肩甲骨や足首が硬くなってきます。
肩甲骨は腕を、足首は足を動かすための
関節です。
想いに問題が起こると、
動くことを阻害するような症状が
現れてくることがあります。
また、背中が硬くなってくるので、
呼吸も浅くなり、窒息状態が続くことで
偏頭痛になっている方もいます。
風の元素のバランスを
取り戻すためのエクササイズを
ご紹介します。
ポイントは子供のように楽しむことです。
膝を柔らかくして立ち、
目の前にボールがあるのをイメージして、
ボールを思いっきり蹴るように
身体を動かします。
バランスを取るように、
腕も前後に振りながら、
足を振る動作を繰り返します。
10回ほどやったら、反対側の足でも
同様の動きを10回します。
手足を振る動作を楽しみにながらやると、
風のエネルギーがめぐります。