最もシンプルな心身の捉え方
心と体は繋がっているとよく聞くようになり、
医学でも精神と肉体との関連を捉える分野として、
精神身体医学、心身医学が発展してきています。
しかし、それは生命というものを
あえて心と体に分けて、
また繋ぐという複雑なことをしていると、
私は思うのです。
体の語源を辿っていくと、
亡くなった人の肉体のこと、
つまり魂の抜け殻という
意味(殻だ、空だ)だそうです。
そして、生きている人の肉体は、
心も身体も含んだ人間全体の
「身(み)」と言います。
ことわざでも、
「身」の字を使うものは多いですが、
「体」の字を使うものはほとんどありません。
人間全体を捉える
ホリスティックな視点とは、
心や体という部分ではない
「身」を捉えていくことではないでしょうか。
「心は体、体は心(=身)」と捉えると、
問題はとてもシンプルになるのではないかと考えています。
(1)ホリスティックな「身」の捉え方
ボディワークをしていると、
体には心の状態が現れていることが
よくわかるようになってきます。
こういう話をすると、
特殊な知識で見ているのではないかと
言われるのですが、
基本は「観察とイメージ遊び」です。
上図の姿勢の違う4人をご覧ください。
(1)と(3)では、どちらが活発で
行動的なタイプでしょうか?
(1)は自己表現が苦手で
自信がなさそうに見えますし、
(3)は自信満々で行動的な
体育会系に見えます。
観察をしてイメージするだけですが、
現実的に見ても(1)と(3)では
(3)の方が行動的なことが多いようです。
一般的な視点で判断すると
(1)は猫背と言われ、
姿勢を良くすることが
解決策になります。
しかし、自己表現が
苦手なのかもしれないと捉えると、
その人の人生のなかにこそ
解決策があることに気づきます。
もし私がボディワーカーとして対応するなら、
その人の話を聞くところから始めます。
こういう「身」の捉え方があってもいいと思いませんか?
(2)思考のクセや感情の問題が体に現れる!?
心と体は繋がっているというものの、
それが具体的にどのように繋がっているのかを
表現した資料は見つけられません。
私のボディワークの実体験を踏まえて、
最も納得がいく考え方をご紹介したのが上図です。
体の症状の原因は、思考のクセから起こります。
例えば、会社のために素晴らしいアイディアを
思いついたので上司に提案したところ、
酷いけなされ方をたとしましょう(1)。
また素晴らしいアイディアを思いついても
けなされるのが怖いので、
上司に提案することをためらいます(2)。
次第に提案することを止めてしまい、
上司が同じ部屋にいるだけで緊張してしまいます(3)。
上司の席が自身の右側だとすると、
右を向きたくないので
左を向いて仕事をする習慣がついてしまいます(4)。
そして、気づいたときには、
骨格が左側に歪んでしまっている(4)。
ということが起こるということです。
これが問題が起きる流れです。
解決の流れは、体にアプローチすることなのですが、
ご紹介は別の機会にすることにします。